痔核(いぼ痔)
痔核(いぼ痔)とは
痔核とは肛門周辺にこぶができる状態のことで、一般的に「いぼ痔」と呼ばれます。痔で悩まれているかたの多くが「痔核」であるといわれていいます。痔核には2つの種類があり、肛門の内側にできる痔核を内痔核、外側にできる痔核を外痔核と呼びます。
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原因
痔核の原因は排便時に強くいきんだり、事務作業やデスクワークなどで長時間座ったりすることによる肛門への負担です。便秘または下痢をくり返すことで、肛門に負荷がかかり、痔核を発症することもあります。また、肛門の血流低下によって発症リスクが高まることもあります。
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症状
痔核があると、排便時に出血を伴うことがあります。また、痔核が便の排出を阻害することで、残便感(排便後も便が出きらず残っている感覚)を覚えるかたも少なくありません。痔核が大きくなると、肛門の外に飛び出すため、シャワーや入浴の際に手で触れる場合もございます。
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手術方法
ALTA療法(痔核硬化療法)
痔核があると、排便時に出血を伴うことがあります。また、痔核が便の排出を阻害することで、残便感(排便後も便が出きらず残っている感覚)を覚えるかたも少なくありません。痔核が大きくなると、肛門の外に飛び出すため、シャワーや入浴の際に手で触れる場合もございます。
結紮切除術
結紮切除術とは、痔核につながる部分を縛って切除する治療法です。痔核への血流を途絶えさせて、症状の悪化を防ぎます。結紮切除術には、手術後に傷口を縫わない「開放法」と、傷口を縫う「半閉鎖法」があります。当院では、痔核の大きさや症状に応じて、術式を選択させていただきます。
裂肛(切れ痔)
裂肛(切れ痔)とは
裂肛とは肛門周囲の皮膚が切れた状態のことで、一般的に「切れ痔」と呼ばれます。20〜40代の女性に多い傾向があり、誰にも言えず悩み、症状が悪化してから受診するケースも珍しくありません。当院では、患部の治療を行うとともに、再発しないように生活習慣の改善指導をさせていただく場合がございます。
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原因
裂肛の原因は便秘などで硬くなった便を無理に出そうとして、肛門に圧がかかり、発症します。また体調不良で下痢が勢いよく出た際に、肛門周囲の皮膚が切れるケースもあります。便秘や水分不足を改善しないと、症状が長引く可能性があります。
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症状
裂肛になると、排便時に出血を伴ったり、排便後に肛門周囲に痛みを感じたりします。また、症状が長引き慢性化することで、切れた部分が潰瘍となり、肛門が狭くなることがございます。「切れただけだから」と放置せず、症状を自覚した時点で適切に治療することが大切です。
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手術方法
用手肛門拡張手術
用手肛門拡張手術とは、麻酔をかけた後に指で肛門を広げ、肛門括約筋の緊張を解消する治療法です。メスを使わない治療なので、患部へのダメージが少なく、術後の順調な回復が期待できます。
内括約筋側方皮下切開術
内括約筋側方皮下切開術とは、肛門括約筋に浅くメスを入れて、皮膚が切れないようにする治療法です。肛門括約筋の緊張を解除することで、裂肛が再発しないよう治療していきます。
皮膚弁移動術
皮膚弁移動術とは、裂肛をくり返し皮膚がひきつれたり、硬くなったりした場合に行う治療法です。ダメージが蓄積した肛門の皮膚の外側を移動させて、肛門の縁に縫い合わせることで、裂肛の改善を目指します。
痔ろう
痔ろうとは
肛門周囲に細菌感染が起こると、化膿して膿が溜まり、肛門周囲膿瘍を形成します。この膿瘍が切開または自然に破れることで膿が排出されると、症状は改善します。しかし、なかには膿があった部位に管が残ることがあり、この管が残った状態を痔ろうと呼んでいます。痔ろうは、一般的に「あな痔」と呼ばれることもあります。